東武朝日 連載記事
2022年2月11日発行(第1001号)
《連載》 輝くこの人・第2回
ゴミを拾い、ゴミを減らす必要性を実際の行動で伝えたい
トラッシュアクティビスト 但野真琴さん
春日部市でゴミ拾いやゴミ減らす活動に取り組む但野真琴さん
春日部市で会社員として働く傍ら、地域に根付いた社会貢献につながる活動を発信し続けている但野さんは2019年に山梨県から春日部市へ転居してきた。
環境問題に関心を持ち、学び直すために翌年4月に法政大学経済学部通信教育課程に入学。気候変動や生態系の破壊、環境汚染が人間活動に起因している事実を学び、今までの生活を続けていては、将来の快適な暮らしや希望ある社会の実現は根幹になることを知ったことが活動の大きなきっかけとなった。
「地球の循環システム加害者になるのではなく、解決策を実行する改善者でいたいと強く感じ、明日から出来ることはなんだ」と考えた結果、スタートしたのがゴミ拾い活動だった。
活動は月平均10回、1回30分から2時間行ない、その日のうちにSNSで報告している。1ヵ月のゴミ回収袋は多い時で44袋にもおよぶことがあるという。活動の範囲は自宅の春日部市内の半径800m。近隣の住民とも親しくなり、庭先でお茶をいただいたり、おしゃべりに花が咲くことも増えた。しかし、繰り返し清掃していても、再びゴミが捨てられていることもあるが、それは貢献へのチャンスと捉え「分にできることをただ楽しみたい。少しでも矛盾のない本当の循環型社会を目指したい」と話す。
また、但野さんは近隣のゴミ拾いだけでなく、環境改善につながるライフスタイルチェンジにも挑戦している。再生可能エネルギーの電力会社へパワーシフトしたり、家庭で生ゴミをコンポストしたり、マイボトルの活用でシングルユース容器を極力減らしたり、工業型畜産の消費を極力減らす菜食優先の生活などを続けている。さらに、家庭ゴミ削減のためだけでなく、なるべくビニール包装の少ない商品を購入。購入品は生産過程の環境破壊も考える。そして会計レジでのビニールやプラステック製のスプーンやフォークなども断る活動も続けている。
「ゴミをなくし、循環させる社会の実現と下の世代への教育機会創出に携りたい」と話す但野さん。「生涯、社会貢献を継続したい」と話す。